市場の将来予測




はじめに

 この将来予測は、マヨネーズ・ドレッシング等の需要(家庭内消費)を、10年先程度まで 予測することである。この作業にあたっては、需要サイドの構造的な変化、つまり人口構造 と家族構造の変化に着目した予測手法をとった。  これまでのシングル市場を活性化させてきた20代前半の第2次ベビーブーマーは、これか らの10年間に、結婚・家族形成のライフステージに入り、家族市場の大きな担い手となって くる。逆に、第1次ベビーブーマーはこれまでの大きな需要の担い手であったが、10年後に は50代後半となり、子どもが自立し、家族規模は縮小しつつある世代となる。単身世帯はこ れからも増加していくが、20代の単身者は減少し、逆に高齢単身世帯が増えてくる。  こうしたことから、家族の規模(平均世帯人員)は減少傾向をたどることとなり、この点 も食品市場には気がかりな影響を与えることとなる。  従って、この将来予測においては、人口の世代構成、家族の規模と類型の変化を予測する とともに、世帯人員1人あたりの品目別消費規模の変化率の推計を行い、世帯人員の変化を 折り込んだ世帯あたり消費量、そして市場全体の規模を推計した。


結果の概要

 マヨネーズ等の2人以上の一般世帯と単身世帯を合計した総市場規模の推定値は、199 5年の実績推定値の157千トンから、2005年は1.25倍の196千トンとなった。 他の食品もそうだが、マヨネーズの消費量もその9割は一般世帯の消費であり、単身世帯の 消費は1割程である。しかし、単身世帯数の増加を反映して市場規模の伸び率は、一般世帯 の1.23倍に対して単身世帯は1.49倍と、大きな増加を示す。また、単身世帯の消費 量は、女性の消費量が男性よりも圧倒的に多く、かつ今後10年間の市場規模の伸び率も男 性よりもかなり大きい点が注目される。

推計結果総括表:総市場規模(年間)

総市場規模(トン/年)

指数(95=100)

構成比

1995

2000

2005

2000

2005

1995

2000

2005

マヨ
ネーズ

157,009

177,645

196,047

113.1

124.9

100.0

100.0

100.0

一般
世帯

145,715

163,762

179,254

112.4

123.0

92.8

92.2

91.4

単身
世帯

11,294

13,883

16,793

122.9

148.7

7.2

7.8

8.6

[男性]

4,166

4,939

5,946

118.6

142.7

2.7

2.8

3.0

[女性]

7,128

8,944

10,848

125.5

152.2

4.5

5.0

5.5

 

世帯人員1人当たり購入数量の予測

 将来の世帯当たり消費、ないしは総市場規模の推計に当たって世帯人員1人当たり購入数 量予測をベースとした。  しかし、家計調査の世帯主年齢階級別実績データは、不規則なバラツキが見られるので、 このままコーホート法による将来推計を行うと、このバラツキを将来に引きずることとな る。そこで、コーホート予測に当たっては、1990年と95年のデータを、3次多項式の 回帰モデルを当てはめ、データの平準化をほどこしている。  品目別の予測結果(2人以上世帯)を見ると、マヨネーズ等の一人当たり年間購入数量 は、1995年の1,333gから2005年は1,572gへと18%増加する。世帯当 たりでは4,559gから5,102gへと12%の増加にとどまり、世帯規模の縮小の影 響が出ている。マヨネーズの1人当たり消費は、現在の中年世代の消費の増加傾向を反映し て、これら世代の中高年化に伴い、将来の中高年層の市場拡大を予想させる。  マヨネーズ等の関連食品としてレタスを見ると、世代間の消費格差が少なく、且つ、90 年代における大きな消費規模の変動もないため、世代の移行があるにも拘らず将来の消費構 造はあまり変わらないという予測結果になっている。


総市場規模の予測(2人以上世帯)

 以上の1人当たり予測をベースにした世帯当たり予測結果に、将来の全国世帯数を乗じる ことにより、総市場規模が求まる。  マヨネーズ等の市場規模は、1995年の実績見込み推計値145.7千トンから200 5年は179.2千トンへと、現在の1.23倍となる。  この推計値の世代別構成を見ると、20代では減少ないしは横ばいで、中高年、とりわけ 高齢層市場の拡大が顕著である。


単身世帯の品目別購入数量

 単身世帯当たりの購入数量は、男女別に普通世帯との消費格差を計算し、この格差係数を 普通世帯の予測値に乗じることにより推計している。総じて、単身男性は単身女性に比して 1人当たり消費量が少ない。  マヨネーズの場合は、男性の30代は普通世帯の1人当たりの4割弱しか消費していない が、他の世代でも6割程度にとどまる。逆に女性は、むしろ普通世帯を上回る消費量で、外 食比率の差などが大きく影響しているようだ。  しかしながら、マヨネーズの市場規模の予測結果は、単身世帯の増加傾向を反映して、1 995年に対して2005年は単身男性でも1.42倍、女性では1.52倍となり、高齢 層の市場拡大が単身市場全体の市場拡大をもたらす。